ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットは?成功の戦略も解説

  • ダイレクトリクルーティングはコストがかからないと聞いた
  • ぜひダイレクトリクルーティングを実施してみたい
  • しかしダイレクトリクルーティングが何なのか今ひとつわからない

上記のように考えている担当者は多いでしょう。ダイレクトリクルーティングは確かにコストがかかりづらく、また優秀な人材を確保するうえで効果的です。

しかしそれ相応のデメリットもあります。したがって手法としての利点と欠点を理解して運用することが大切です。

本記事では以下の点について解説します。

  • ダイレクトリクルーティングの定義や実施方法
  • ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット
  • 成功させるための施策

ダイレクトリクルーティングの導入を考えている担当者はぜひご一読ください。

ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングは、企業から求職者へアプローチする採用手法です。たとえばオファーやメールなどで選考への参加を促すやり方が該当します。

やや特殊なダイレクトリクルーティングを活用するうえでは、以下2点について知ることが大切です。

  • 他の採用手法との違い
  • ダイレクトリクルーティングを行う企業は増えている理由

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

他の採用手法との違い

ダイレクトリクルーティングと他の採用手法との違いは、能動的か受動的かという言葉で端的に表せます。たとえば求人サイトやハローワークに求人情報を掲載するのは、志望者の応募を待つという意味で受動的です。

一方でダイレクトリクルーティングでは、企業側が「弊社の選考に参加しませんか?」という形でアプローチしますが、ここが能動的だと言えます。

後ほど詳しく解説しますが、他の採用手法と違って能動的であることにはさまざまなメリットがあります。

ダイレクトリクルーティングを行う企業は増えている理由

近年ではダイレクトリクルーティングを実施する企業が増えてきました。その理由は大きく分けて2つあります。

ひとつは採用コストをおさえられるからです。近年では人材の流動性が高まり、さらには個人での働き方も広まっており、採用の難易度が急速に高まっています。

そんな中で従来の採用方法と比較してコストがかかりづらいダイレクトマーケティングが注目されるようになりました。

もうひとつの理由としてSNSの流行が挙げられます。たとえばFacebookでは企業の魅力を発信しつつ、求職者と共有できるような環境が整っています。SNSを利用することで直接アプローチしやすくなり、ダイレクトマーケティングが広く活用されるようになりました。

ダイレクトリクルーティングはどうやって実施する?

ダイレクトリクルーティングを実施する方法は大きく分けて3つあります。

  • スカウトサービスを利用する
  • SNSを利用
  • イベント参加者へのアプローチ

厳密に言えば他にも手法はありますが、まずは上記3点を利用していればダイレクトリクルーティングは本格的に運用できていると考えて問題ありません。

スカウトサービスを利用する

ダイレクトリクルーティングを実施するうえでは、まずスカウトサービスを利用しなければいけません。多くの企業がここからスタートしています。

スカウトサービスとは、ダイレクトリクルーティングの対象となる求職者にアプローチできるサービスです。登録すれば数多くの求職者がデータとして公開され、条件に基づいて接触する相手を選定できます。

スカウトサービスの利点は、確度の高い人材へアピールできることです。求職者は、就職先や転職先を求めて同サービスに登録しているので、アプローチしたあとで興味を持ってもらいやすい状態にあります。

また数多くの求職者を比較検討できるなど、スカウトサービスならではの利点があります。

ダイレクトリクルーティングでは主力となるサービスなので、かならず利用しておきましょう。

アカリクは、理系の学部生や大学院生、ポスドクと呼ばれる人材と企業のマッチングを手がけるサービスです。15万人以上のデータベースを持っており、数多くの候補からフィットする人物にアプローチできます。

求職者のうち85%がMARCHもしくは国公立以上の学歴を有しており、ポテンシャルも申し分ありません。

優秀な理系人材を求めている場合はぜひアカリクの利用をご検討ください。

SNSを利用

ダイレクトリクルーティングでは、SNSが広く活用されています。活発に利用される理由として、「発信」と「接触」の両方を実行できる点が挙げられます。

SNSでは、まず自社の魅力についてコンテンツ形式で発信することが可能です。そして求職者のアカウントを確認し、ダイレクトメッセージなどで容易に接触できます。

もちろん、この段階で費用は発生しません。さらに求職者の過去の投稿を参照すれば採用を検討する価値があるか、ある程度判断できます。

また、人間性や価値観という面で自社に(あるいは社会人として)そぐわない部分があるかどうかもチェックすることが可能です。

SNS運用は、コストが低いながらも合理的な手法であり、ダイレクトリクルーティングでは非常に役立ちます。ぜひともひとつの手法として活用しましょう。

イベント参加者へのアプローチ

ダイレクトリクルーティングではイベント参加者へのアプローチも幅広く活用されています。

たとえばセミナーやウェビナー、ディスカッションが開催されたとします。そこで能力や適性をチェックし、有力な求職者にアプローチするという手法です。

この方法が活用されるのは、ミスマッチしづらいという利点があるからです。企業は求職者の様子をリアルに観察しているし、逆に求職者も社員とのコミュニケーションを取ることで何らかの感触をつかんでいます。

つまり両者で共有した部分が広く、ミスマッチは発生しづらいわけです。ただしイベントにおいて企業の魅力がうまくアピールできないと逆効果になるので、ややリスクの大きい手法ではあります。

ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット

能動的であるという意味で、ダイレクトリクルーティングはその他採用手法とは根本的に性質が異なります。そしてそれは手法としての特有のメリットとデメリットにもつながっています。

<ダイレクトリクルーティングのメリット>

  • 知名度の低い企業でも求職者との接点ができる
  • 採用費用の削減
  • 自社に必要な人材を見極めた上でアプローチできる

<ダイレクトリクルーティングのデメリット>

  • 対応の工数、コストが増加する
  • 大量採用は難しい

企業にとって重要なのはメリットとデメリットを理解し、適切なタイミングや方法でダイレクトリクルーティングを実施することです。

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

メリット:知名度の低い企業でも求職者との接点ができる

ダイレクトリクルーティングにおける最大のメリットは、知名度の低い企業でも求職者との接点を作り出せることです。

たとえば求人サイトや合同企業説明会では、上場しているような有名企業に注目が集まります。自社の知名度が低いのであれば、大きな企業に求職者との接点を独占されかねません。

しかしこれは、求人サイトや合同企業説明会が受動的な採用手法だからです。ダイレクトリクルーティングでは求職者を待つのではなく、こちらからアプローチします。

そのため知名度に関係なく、容易に求職者との接点を設けることが可能です。状況によっては受動的な採用手法しか実施していない大手企業を出し抜いて、優秀な求職者との接点を独占できるかもしれません。

メリット:採用費用の削減

ダイレクトリクルーティングを活用すれば、採用費用を大きく削減することが可能です。具体的には以下にかかるコストをカットできます。

  • 会社説明会における会場費やイベント会社への外注費
  • 合同企業説明会に出展する際の参加費
  • 求人サイトに対する広告掲載費
  • チラシやポスター、WEB広告などの広告宣伝費など

従来からある能動的な手法では、とにかく応募してもらうために多額の費用をかけて接触の場を創出する必要がありました。たとえば会社説明会をアウトソーシングするなら1回当たり100万円以上かかることもあります。

しかしダイレクトリクルーティングは、さほど費用がかかりません。スカウトサービスを利用する場合でも、月額10万円から20万円ほどで運用可能です。

また「成果報酬型」のサービスなら、実際に採用された場合でしか費用が発生しません。

近年は人材の流動性や働き方の変化、あるいは終身雇用の崩壊により採用コストが向上しています。そのうえで費用を大きくおさえられるメリットは重要です。

メリット:自社に必要な人材を見極めた上でアプローチできる

ダイレクトリクルーティングでは、自社に必要な人材を見極めた上でアプローチすることが可能です。

求人サイトなどの手法では、マッチしない求職者を遠ざけるのが困難でした。そのようなことがあれば学歴による差別などを疑われ、企業ブランドを損ないます。

つまり、ある程度はマッチしない求職者がいることを受容するしかありませんでした。

しかしダイレクトリクルーティングでは、自社に必要な人材だけを事前に選んで接触できます。「自社にはマッチしない」と感じた相手にはアプローチする必要がなく、そもそも接点は生まれません。

本当に欲しいと感じる人材だけにコストとリソースを集中できるのは大きなメリットです。

デメリット:対応の工数、コストが増加する

一方でダイレクトリクルーティングには「対応の工数やコストが増加する」というデメリットもあります。単純に、「こちらからアプローチする」という段階が追加されるからです。

ダイレクトリクルーティングを本格的に実施するには、以下の工程が必要となります。

  • ダイレクトリクルーティング・スカウトのサービスを導入する
  • 求職者にオファーメールを送信する
  • 手法自体の効果を追跡して測定する
  • 自社WebサイトやSNS運用を強化するetc…

それ以外にも、採択した戦略次第でいくつかのステップをこなす必要が出てきます。コストが削減される以上に求められるリソースも増えた結果、コストパフォーマンスを失うケースも少なくありません。

デメリット:大量採用は難しい

また大量採用には全く向いていないのも、ダイレクトリクルーティングのデメリットです。

なぜなら、アプローチできる候補者の数が限定されるからです。

そもそもダイレクトリクルーティングは、自社に合った人材を絞り込んで、その上でアプローチします。つまり従来の方法と比較して自発的に接触する人数を減らして、人材の質を追求するわけです。

一人ひとりの人材としての価値を追求した分、少数精鋭の採用が実施できます。しかし「それなりの人材を大量に採用する」というのは、ダイレクトリクルーティングでは難しくなります。

ダイレクトリクルーティングを成功させるために取り組むべき施策

ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、他の手法とは異なる施策が必要です。

たとえば以下5つは、かならず実施しておきましょう。

  • ダイレクトリクルーティングを行う媒体、手法の決定
  • 採用ストーリーの策定
  • 企業の魅力、将来性を発信して認知を獲得
  • 採用業務を行う体制の構築
  • 効果検証と改善の実施

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

ダイレクトリクルーティングを行う媒体、手法の決定

最初にダイレクトリクルーティングを行う媒体と手法を決定します。自社にフィットしたやり方を見定めましょう。

ダイレクトリクルーティングの媒体・手法の一例として以下が挙げられます。

  • スカウトサービスを通して積極的にアプローチする
  • 勉強会やセミナーを開催し、めぼしい人材に連絡を取る
  • Twitter・FacebookなどのSNSで、情報発信とアプローチを両立するなど

この段階でかかる費用や必要なリソースが確定します。

予算や自社の人員状況を鑑み、無理なく運用できる媒体と手法を選びましょう。

なお、優秀な理系人材を採用したい場合は「アカリク」がおすすめです。

アカリクは高いスキルを持つ理系の大学生、大学院生、ポスドクにアプローチできるダイレクトリクルーティングサービスで、エンジニアとして活躍できるポテンシャルを秘めた新卒の学生にアプローチできます。

採用イベントや人材紹介(新卒・中途)も行っており、イベント参加者の選考希望率は平均60%、人材紹介の書類通過率も80%以上と、質の高い学生との高マッチング率の実績があります。

新卒のエンジニア採用を検討している企業の方は、ぜひ導入をご検討ください。

サービスサイトURL:https://acaric.jp/
企業向けサイトURL:https://biz.acaric.jp/

採用ストーリーの策定

ダイレクトリクルーティングにおいては採用ストーリーの策定が重要です。ここでいうストーリーとは以下を示します。

  1. どのように求職者と接触するのか
  2. 求職者に対して何を提供するのか
  3. 求職者は何を決め手として入社を決意するのか
  4. 自社と求職者は最終的にどのような形でメリットを得られるのか

つまり、「採用が実現するまでの理由や道のりを明確化すること」です。これは、デートに例えるとわかりやすいかもしれません。

どのようにデートへ誘うか、お店はどこにするか、告白のタイミングはいつかといったことを考えるのと近しい部分があります。求職者が「この会社しかあり得ない」と思えるようなストーリーを策定し、ダイレクトリクルーティングを有利に進めましょう。

企業の魅力、将来性を発信して認知を獲得

ダイレクトリクルーティングを実施するのであれば、企業の魅力や将来性を、SNSやWebサイトなどで発信する必要があります。

ダイレクトリクルーティングは、「ウチは素晴らしい会社だから、ぜひ選考を受けてみないか」と語りかける、アクティブな採用手法です。強気に出た以上は企業の魅力や将来性をしっかりと見せなければいけません。

すぐれたコンテンツを発信し、自社についてしっかりとアピールしましょう。

ちなみに発信媒体としては、SNSやWebサイトのみならず、プレスリリースやYouTubeなどが利用できます。最近ではTik Tokを活用するケースも見受けられるようになりました。

自社の業態やブランドイメージに合った媒体を選びましょう。

採用業務を行う体制の構築

ダイレクトリクルーティングの導入により工数が増えるので、今一度、採用業務を行う体制の構築が必要です。最低でも担当者一名をアサインする必要はあるでしょう。

またそのための採用管理システムなどを導入し、業務を支援することも検討する必要があります。

自社にとってダイレクトリクルーティングが馴染みのないものであれば、なぜ実施する必要があるのか説明することも大切です。自社内でも意見をすり合わせ、採用業務の体制を正しく保ちましょう。

効果検証と改善の実施

ダイレクトリクルーティングでは、効果検証と改善の実施が重要です。特にまだ手法として確立・セオリー化されていないので、自社なりにブラッシュアップする姿勢が求められます。

PDCAサイクルを回し、採用単価や開封率、返信率やその後の離職率など、各種指標を追跡しましょう。それらに基づいて手法を調整し、より効果的なダイレクトリクルーティングを作り上げることが重要です。

まとめ:ダイレクトリクルーティングを活用して優秀な人材を獲得

ダイレクトリクルーティングは、自社から求職者へアプローチする能動的な手法です。従来の受動的なやり方と違い、以下のメリットがあります。

  • 知名度の低い企業でも求職者との接点ができる
  • 採用費用の削減
  • 自社に必要な人材を見極めた上でアプローチできる

一方で以下のデメリットもあるので、理解しておかなければいけません。

  • 対応の工数、コストが増加する
  • 大量採用は難しい

採用コストの向上により、ダイレクトリクルーティングは多くの企業から注目されています。デメリットこそ理解しておく必要はあるものの、戦略的に運用すれば強力な採用方法になります。

ぜひダイレクトリクルーティングを展開し、優秀な人材を確保しましょう。